成長した企業が没落していく要因は何か。
盛者必衰の理。栄えるものは、いつか必ず滅ぶ。これは企業においても避けて通れない道の一つです。企業の場合は、大企業病という大病があります。この病気にかかり、倒産に追い込まれた企業は過去から多数あります。
Amazonを一代で立ち上げ超大企業に育て上げた、ジェフ・ベゾスもこのことは念頭に置きながら企業経営をしてきました。
大企業病とは何なのか、そしてそれを防ぐしくみをどのように作ってきたのか。
Amazon創業者、ジェフ・ベゾスから学びます。
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大企業病とは何か?
大企業病(だいきぎょうびょう)とは、大きな企業が成長の頂点に達した後に見られる組織的な問題のです。具体的には、組織が大きくなりすぎると、その運営が硬直化し、イノベーションが鈍化する傾向があります。また、内部のコミュニケーションが少なくなり、部門間の協力が難しくなります。この結果、市場の変化に対する反応が遅れ、新しい競争者に対して競争力を失うことがあります。
大企業病にかかり、没落した企業の例はいくつかありますが、代表的なものとして次の企業があります。
- コダック:かつては写真フィルム市場で圧倒的なシェアを持っていましたが、デジタル写真への移行に適応できず、2012年に破産保護を申請しました。
- ノキア:一時期は世界の携帯電話市場でトップの地位にありましたが、スマートフォン市場の変化に対応できず、市場シェアを大きく落としました。
- ブロックバスター:ビデオレンタル業界でのリーダーでしたが、オンラインストリーミングサービスの登場とそれに伴う消費者の行動変化に適応できず、2010年に破産しました。
これらの企業は、大企業病の典型的な例としてしばしば引き合いに出されます。いずれも、市場の変化や新技術の登場に対応するためのイノベーションを行うことができず、結果として業績が悪化し、没落の道をたどりました。大企業病は、大きな組織に共通する課題であり、継続的なイノベーションと柔軟性の維持が成功の鍵とされています。
このような病気にかからないために、ジェフ・ベゾスは常にイノベーションを続けるのにはどうしたらよいか?考え抜いてその仕組みを構築しました。
大企業病を防ぎ、イノベーションを生み続ける仕組み
Amazonが大企業病を防ぐために採用している戦略や仕組みには、以下のような特徴的なものがあります。
Two-Pizza Teams(ツーピザチーム):
Amazonでは、「Two-Pizza Teams」と呼ばれる小規模なチームを重視しています。このアイデアは、一つのチームが二枚のピザで満たされる程度の人数、つまり6人から10人程度で構成されるべきだというものです。これにより、大人数による無駄なコミュニケーションを削減。迅速な意思決定とイノベーションを実現しています。
OLP(リーダーシップの原則)
Amazonは、全従業員が共有する、私たちのリーダーシップの原則(Our Leadership Principles)を定めています。
従業員が日々の業務でこれらの原則に基づいて行動することを奨励しています
Amazon「リーダーシップの原則16か条」
- 顧客中心主義 (Customer Obsession): リーダーは顧客から始めて後ろ向きに働きます。彼らは顧客に耳を傾け、理解し、彼らの期待を超えることに集中します。
- 所有権 (Ownership): リーダーは長期的な視点を持ち、自分のチームやプロジェクトだけでなく、会社全体のことを考えます。彼らは他人が行動を起こすのを待たずに自ら行動します。
- 発明と単純化 (Invent and Simplify): リーダーは新たなアイデアを求め、常にプロセスを単純化します。彼らは外部からのアイデアを受け入れ、自らもイノベーションを起こします。
- 正しいことをする (Are Right, A Lot): リーダーは高い判断力を持ち、多くの場合正しい決断を下します。
- 学びと好奇心 (Learn and Be Curious): リーダーは常に新しいことを学び、自身を改善し続けます。彼らは探求と発見に情熱を持っています。
- 雇用と育成 (Hire and Develop the Best): リーダーは優秀な人材の採用、育成、そして彼らが成功するための環境作りにコミットします。
- 最高の基準を持つ (Insist on the Highest Standards): リーダーは常に高い水準を求め、チームもそれに引き上げます。彼らは満足することなく、常に品質を高めます。
- 意思決定を思い切って行う (Think Big): リーダーは小さな考えにとどまらず、大胆な方向性を設定します。彼らは革新的な考えでチームを鼓舞します。
- 節約精神 (Frugality): リーダーは少ないリソースで多くのことを成し遂げます。制約は創造性と自己依存を養います。
- 結果を出す (Deliver Results): リーダーは焦点を結果に合わせ、重要な指標を達成します。彼らはチームを目標達成へと導きます。
- 信頼を築く (Earn Trust): リーダーは聞くことによって他人の尊敬を集め、正直かつ透明性を持って行動します。
- 深く潜る (Dive Deep): リーダーは細部まで気かり、ビジネスのすべての側面に目を配ります。彼らは表面的な分析に満足せず、定期的にビジネスの指標をチェックしています。
- 意見の相違を持ち、それでもコミットする (Have Backbone; Disagree and Commit): リーダーは自分の意見をはっきりと述べ、意見が異なる場合でもそれを恐れません。しかし、決定が下されると、完全にコミットします。
- 成果を上げる (Deliver Results): リーダーは期待以上の結果を出します。彼らは障害を乗り越え、正しい結果を出すために必要なことは何でもします。
- ストライブ・トゥ・ビー・アースズ・ベスト・エンプロイヤー (Strive to be Earth’s Best Employer): リーダーは安全で包括的な職場を作り、従業員が自己実現できる環境を提供します。
- サクセス・アンド・スケール・ブリングス・ブロード・レスポンシビリティ (Success and Scale Bring Broad Responsibility): リーダーはAmazonが大きく成長するにつれて、その影響力を認識し、社会や環境に対して責任を持ちます。
これらの原則は、Amazonが日々の業務、戦略の策定、チームビルディング、イノベーションへの取り組み方において、どのような価値観を持ち、どのように行動するかを示しています。Amazonはこれらの原則を通じて、組織全体の意思決定と行動の一貫性を保ち、大企業病の罠に陥ることなく革新的で顧客中心の文化を維持しようとしています。
失敗を受け入れる制度:結果よりもチャレンジを評価する。
Amazonは、失敗をイノベーションの重要な部分とみなし、新しいアイデアを試すことを奨励しています。失敗を経験することは学習の機会とされ、次の成功へのステップとして捉えられます。逆に結果良くても挑戦しない社員は評価されません。このような文化は、従業員がリスクを恐れずに新しいことに挑戦することを促し、組織全体の革新性を高めます。
まとめ
Amazonから学ぶべきことは、常にイノベーションをし続けないと、必ずど衰退していく危機感をもっているという事です。これは国家においても、企業においても、個人の仕事においても同じことだと思います。日々変化の無い取り組みを続けると、時代の変化の激しい現在においては、あっという間に周りの変化に置いてけぼりになり、気付けば新しく表れたライバルに、パイを取られてしまいます。我々は常に新しいことにチャレンジして、変化していかねば生き残れないのです。
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