バフェットの師 フィリップ・フィッシャーに学ぶ 成長と集中
投資の神様、ウォーレン・バフェット。若かりし頃の彼に多大な影響を与えた人物が3名います。その人物から何を学んだのか?
前回はベンジャミン・グレアムについて書きましたが、二人目はフィリップ・フィッシャーについてです。
フィリップ・フィッシャーの経歴
投資コンサルタントの仕事をしており、スタンフォード大学でMBAを取得し、アナリストとして働いていました。働き始めて2年、1929年世界大恐慌の暴落を目撃します。1931年3月31日に自分自身の投資コンサルティング会社、フィッシャー・アンド・カンパニーを設立しています。
フィリップ・フィッシャーの理論
ウォーレン・バフェットは自分の投資手法はグレアムが85%、フィッシャーが15%の比率で含まれると言っています。グレアムがバリュー投資、フィッシャーが集中投資の考え方です。その手法が融合し、バフェット流になっているのです。
フィリップ・フィッシャーは、大きな利益を上げるには重要な2つの要素があると考えています。
①秀でた潜在能力を持つ会社に投資する。
②最高の経営者と付き合う
そして、これらは下記の5点の要素にまとめられます。
①企業の成長性
長期的に成功するには、「優れた研究開発能力」が必要であると同時に、「優れた経営者がそれを利用できるか」にかかっています。
一例として、デュポン社はもともと火薬が主力でしたが、それだけをしていたら、鉱山会社として波の企業になっていました。しかし優秀な経営陣が、火薬製造で得た知識をうまく利用し、ナイロンやセロファン、ルサイトなど新しい樹脂製品群を生み出し、多額の利益を得ることができた。デュポンは研究開発に大きな力をいれており、それが長期的な成功につながったと考えられます。
②営業力
優れた製品、サービスが開発できても消費者にその素晴らしさを伝えることができなければ、利益につなげることはできません。営業とは、市場と研究開発の懸け橋となる重要な存在なのです。
③優れた収益性
市場の成長の可能性だけではいけない。長期的に利益を出し続ける企業であり、損益分岐点が低く、利益率の高い企業であることです。利益率の高い企業は、不景気の中でも生き残れ、弱い相手は消えていくので、利益率の高い企業は市場でのポジションを強化できるのです。さらに経理がしっかりしていれば、事業に潜む問題が浮き彫りになります。非効率な経営をいち早く見抜き、対処することで収益性を守ることができます。
④優秀な経営者
優れた経営者は、今の製品やサービスが古くなることがあっても、成長を維持できるように新製品の開発に余念がない。数年間の成長できる企業はあるが、もっと長期的、20~30年に渡って利益を維持できる戦略のある企業は稀です。「目先の利益を第一と考えず、長期的利益を達成させる経営方針が必要だ」とフィッシャーは言います。すなわち長期的な目線を持ち、戦略的に考えることができる経営者でないといけないのです。
経営者と従業員の関係も重要。働きやすい職場を考えているか?管理職はえこひいきがなく、能力で評価されると感じられる職場をつくっているか。適切な権限を与え、事業運営に問題が無いようにしているか。
また、忠誠心があって、誠実な経営者でないといけない。とも考えています。自分自身の利益だけを考えておらず、株主のために責任ある行動を取れているかなどです。調子のいいときだけしゃべり、苦境の時に黙ってしまう経営者ではいけません。
⑤理解できるものに絞り込んで投資する。
最後に、事業全体に着目することです。事業内容、経営者が、競合他社に対して、優位に立っているかがポイントです。財務諸表だけで比較できないことです。ですから、その企業のことを知り、理解しなければなりません。そしてその企業の情報をよく知っている人から、できるだけ情報を仕入れることです。そしてフィッシャーは、素晴らしい投資先に絞り込んで、投資すべきというのが口癖です。せいぜい10社までで、そのうち3社か4社に75%を投資していました。すべてを満たす企業であれば、分散するより集中したほうがリスクが低く、リターンも大きくなるからです。
マンガーの過去の失敗談から、「自分が理解できない投資先に投資した場合、背景をよく理解できずに投資することになるので、リスクが大きくなり、失敗する」と言っています。
まとめ
チャーリー・マンガーは、重要なポイントを徹底的に分析し、自分が理解できれば個別株の少数集中投資を推奨しています。本当のプロはそうすることで、市場を上回るパフォーマンスを実現するのでしょうね。この手法は確かに、バフェットの投資哲学に浸透しています。
私見にはなりますが投資経験の少ない人や、分析に時間を割いていない、割けない人は、インデックス投資の方が無難かと思います。個別株、資産等への集中投資をして利益を得るには、それなりの研究と努力が必要なのです。
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