東芝が2023年にも会社を3つに分割して上場を目指します。アメリカでも有名企業、GEやジョンソン・エンド・ジョンソンが分社化すると発表しました。分社化の理由はコングロマリット・ディスカウントを避けるためです。
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1.コングロマリット・ディスカウントとは
コングロマリット・ディスカウントとは、積極的なM&Aなどを通じて事業を多角化している企業において、単体でそれぞれの事業を営む場合と比較したとき、市場からの評価が低下し、株価が下落している状況をいいます。
(1)コングロマリットの意味
日本語で、「複合企業」といいます。すなわち多くの事業を持っている企業という意味になります。
(2)ディスカウントの意味
割り引かれているという意味で、本来の企業の時価総額より安くなっている。値下げされている。ということです。
2つの単語を合わせて、コングロマリット・ディスカウント=【複合企業】の【割引】という意味になります。事業が多くある複合企業は経営者の目が行き届かず、管理しきれません。スピーディな判断、動きがとれないので各事業の実力が発揮しきれず、市場から過小評価され、本来の価値から時価総額が割り引かれている可能性があることをいいます。
2.事業を分社化させる理由
事業を分社化させることで、コングロマリット・ディスカウント(複合企業の割引き)を解消する事がが狙いです。
(1)分社化のメリット
事業を分割することによって、各事業を独立させ、意思決定を速めて機動的に投資をして価値を最大化することを目的とします。
従来では事業を複数持つことはリスク分散になると考えられていましたが、目まぐるしいスピードで変化する現在においては、巨大化しすぎた企業は意思決定の遅さが命取りとなっています。事業を独立させ、分社化することによって、スピーディにあらゆる意思決定をできるようにするのです。
(2)事例
①東芝
東芝が2023年にも会社を3つに分割して上場を目指します。
経営危機に陥っている東芝。分社化することに一部からは、東芝の解体であり総合メーカーとしての実力が発揮されなくなるとの指摘がありますが、現実には多角化がもたらす弊害の方が圧倒的に大きい。東芝はようやく各事業が持つ潜在力を発揮できる環境になるのかもしれません。
インフラサービス会社
売上高2兆900億円
事業内容:発電 公共インフラ ビル ITソリューションなど
デバイス会社
売上高:8700億円
事業内容:パワー半導体 HDD 半導体製造装置 など
東芝(資産管理会社)
事業内容:キオクシアと東芝テックの株式を保有。
②米ジョンソンエンドジョンソン(J&J)
アメリカ企業のジョンソン・エンド・ジョンソンも分社化を発表。
消費者向けの市販薬などの事業を分社化します。医療機器や処方薬などの医療事業に集中し、2つの会社それぞれがよりねらいを絞った戦略のもと経営を効率化するとしています。分社化は1年半から2年以内に完了することを目指していて、分社化する会社は上場を計画しているということです。
日用品・市販薬会社
事業内容:消費者向けの日用品、市販薬など。
医療会社
事業内容:医療機関向けの処方薬や医療機器など。
③米ゼネラル・エレクトリック(GE)
さらにトーマス・エジソンが創業したアメリカGEも。
11月9日、分社化の発表により(GE)株は時間外取引で前日終値から一時17%上昇した。通常取引時間中は一時7%高を付け、終値は3%高だった。GEは新型コロナウイルス禍での事業環境の変化に合わせ、分野ごとに成長につながる投資に注力する体制を整える。
航空機エンジン会社
事業内容:航空機向けエンジンの製作。
医療会社
事業内容:医療機器、医療器具など
電力会社
事業内容:再生可能エネルギー、発電など
以上の3社分割して効率化を図ります。
3.まとめ
事業を沢山作る。そうすれば収益はあがり、リスクは分散されて減ると考えられていましたが、必ずしもそうはならない現状が浮かび上がってきています。今回紹介した三社は複数の事業を持っていましたが、会社にとって今後デメリットの方が大きいと判断したと考えられえます。めまぐるしく動く現代社会にとっては、環境に合わせたスピーディな動きがとれないと、事業も存続する事が難しくなってきたということでしょうか。今回紹介した3社は状況を把握して、勝算があるので分社化する決断をしたと思いますが、必ずしも成功するとは限りません。デュポン社は分社化して時価総額が10%減少したそうです。成功か失敗か、答えは数年後にわかるでしょう。
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