影響力の武器:コミットメントと一貫性 その1 人はなぜ、要求を断れない状況に陥るのか?

今まで読んだ本で一番分厚い本、影響力の武器を読んでいる。こういう本は、読むモチベがなかなか湧かないけれど、正直、厚さが気にならないくらい面白い。

これを読んでおけば、人はどのような影響力を与え、受けるのか、が理解出来きます。

今回は2つ目の武器、コミットメントと一貫性について。

コミットメントと一貫性

人は、「決定を下したり、ある立場を取る(コミットする)と自分の内からも、外からもそのコミットメントと一貫した行動を取るようになるように、圧力がかかる。」

すなわち、一度決定したことに対しては、「正しい選択をしたと自分に盲目的かつ、自動的に言い聞かせ、思い込むようにできている」そうです。

こういうことは、結構、自分でも気がついていないので、意識しないとわからないでしょう。

宝くじを買ったら、買う前と買う後で比べてみると、買ったあとの方が、当たるような気がしてきませんか?宝くじの当たる確率は変わるはずがないのにです。この思い込みはどこからくるのでしょうか。

人間社会は複雑で、いちいちあらゆる事に思考を巡らせている時間はない。そこで自動的に思考させ、エネルギーロスをへらすために、「一貫性の原理の力」が働きます。

人間社会は一貫性がある人を、望ましいと思う傾向があります。一貫性とは、基本的には言っている事や思考と、行動がブレずに一致していることを言います。人は一貫性のある人間を基本的に好ましいと思います。一貫性のない人間、言っていることと行動が一致しない人は支離滅裂な、変人のレッテルを貼られ、好まれない傾向があります。

人間社会では、大抵のことは一貫した態度で物事に望めば、ほぼうまくやっていけます。

したがって、一貫性を持っていれば、自動的に思考の近道ができて、思考の時間、エネルギーを使わなくても良くなりますので、人間には必要なこととして一貫性がプログラムされています。

一貫性を発動するスイッチが、コミットメントする事であり、一度なにかを決定したり、何かの立場をとってしまうと、一貫性の原理が働き自動思考になり正しい事だと考えるようになるので、人はなかなか決定や立場を変えることができなくなるのです。

フット・イン・ザ・ドア・テクニック

これらを利用したセールステクニックで、「フット・イン・ザ・ドア・テクニック(段階的養生法)」があります。

名前から何となく分かるかもしれませんが、セールスマンが足をドアに挟んで、扉を閉められなくして、ふとした世間話などから相手に話を聞かせ、途中から徐々に要求をエスカレートさせていく。気づいたら商品を買わされてしまうテクニックです。

最初に非常に小さな要求を飲ませ、それから関連するもっと大きな要求を通す。

というものです。最初に小さな要求を飲み、何かを決定してしまうと、立場が決まってしまい、その後の決定をを変えにくくなったところを利用して、もっと大きな要求を通すテクニックです。セールスではこれらを意図的に行っていって利益を上げています。「要求は、段階的に」という事です。

スタートである、「最初の小さな要求」をいかに通すかが、鍵かもしれません。

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