何かと世間を騒がせている中国恒大集団。33兆円もの負債を抱えデフォルトに陥る可能性があり、世界同時株安に発展。株式、仮想通貨などが暴落し、私のポートフォリオも多大なるダメージを受けました。中国では世界一の不動産企業と言われる恒大集団が没落した理由を調べます。
↓↓↓のバナーを押してくれるとありがたいです!ランキングに参加してます。
恒大集団とは
創業者は許家印氏
住宅制度改革によって不動産需要が伸びることをにらんで、1996年に前身企業を創業。一代で巨大企業に育て上げました。
経営路線は先行投資と事業拡大。
恒大集団は、金融機関から積極的に資金を借り入れ、物件開発、販売する拡大路線を続けました。不動産事業だけではなく事業の多角化も進めており、2010年にプロサッカークラブの「広州足球倶楽部」を傘下に収めた。観光業やインターネット関連サービス、保険、ヘルスケアにも投資を行って事業の幅を広げます。さらに電気自動車 (EV) 事業への進出を計画し、2020年8月3日にEV6車種を一斉に披露。
経営危機の内容
利益の減少
売上高は増加しましたが、利益率は伸び悩み、2018年をピークに利益が減少していきました。現在では負債が33兆円まで膨らんでしまいました。
さらに取引先への未払いなどで、相次いで訴訟を起こされます。中国人民銀行から呼び出しを受け、経営を安定化させるように注意も受けています。ついに資産売却を進めなければならない状況に陥っています。
高大集団の2021年上半期の決算でも、デフォルト(債務不履行)のリスクがあることを発表。内容は以下。
「資産の売却などに失敗し、流動性の問題が悪化した場合、融資契約に違反すること及び経営に重大な悪影響を与える訴訟の恐れがある。」
社債の格付けの下落。
格付け機関ムーディーズは9つのランクのうち、下から2番めのCa(非常に投機的、デフォルトあるいはそれに近い状態)に格下げしました。同じ格付け期間のフィッチも同様に格下げしています。
経営危機の原因
中国政府が不動産価格の上昇を抑制
経営危機に陥った主要因は、中国政府の規制による不動産業界への締め付けです。
中国では不動産市場が右肩上がりに高騰し続けています。市民の不満を高めないように政府が価格を抑制しようとしていることに原因があります。
中国政府が打った手は以下です。
①銀行の不動産融資額を制限
2020年12月以降、大手銀行の貸し出し総額のうち、不動産融資額を40%に制限させます。恒大集団は資金調達が難しくなりました。
②不動産購入のための偽装離婚の購入期間を伸ばす。
中国では、1家庭が持てるマンションの二戸までに制限されていますが、離婚を偽装することによって、部屋を倍持てる事になります。
従来は離婚後1年間は不動産を購入できない期間がありましたが、これが延長され、3年間購入できなくなりました。これが不動産業界へのダメージに繋がります。
これらの不動産業界への締め付けによって恒大集団の経営が悪化し、不動産バブルの崩壊の引き金になる可能性が懸念されています。
恒大集団の株価は今年1/4まで大幅下落。2009年の上場時よりも、株価は安値となっています。
EV事業の売却も難航しています。
中国政府の動きに市場は注目している。
中国政府は破綻したら大きな影響を与える企業は従来であれば、救うとされてきました。しかし昨今の中国政府は、尋常でない締め付けを特定の業界で行ってきており、企業を簡単に潰してしまいます。最近では教育関連企業へ利益を出すことを禁止したり、IT企業への制裁などがあり、株価は暴落を続けています。これらの理由から政府が救済しない可能性もあり、市場は注目しています。
まとめ
中国政府の様々な業界への締め付けによって、色々と悪い影響が表面化し始めています。今回の恒大集団の状況は、氷山の一角かも知れません。恒大集団は従業員を20万人ほど抱え、関連する企業などを含めると、380万人もの雇用を生み出していると言われています。もしも破綻した場合、中国経済に大きな悪影響をもたらすことは必至です。恒大集団の破綻がきっかけになり、リーマンショック級の世界同時株安が起きないことを祈りたいと思います。大方の予想ではそれはないと言われていますが、何らかの悪影響は必ずあるでしょう。
Amazon 書籍ランキング
投資成績を上げてくれるオススメ書籍について
オススメの投資本を以下にリンクしますので、一度読んでみて下さい。
↓↓↓のバナーをポチっと押して下さい!ランキングに参加してます。
コメントを残す