高配当株ETF、HDVの特徴と配当金。下落相場でも上昇中




下落相場が続いている米国株。そんな中でも一際強さを見せつけるETFがあります。値段が下がらず上がり続けているものが、高配当株HDVです。

下落相場時の株価について

2022年スタートから始まった下落相場。年初来の成績は以下です。

3.23%のプラスです。

ちなみに主要3指数の成績は

ダウ -10.8%

S&P500 -13.05%

NASDAQ総合指数 -19.8%

地合いの悪いこの相場で、大健闘しています。

配当金や構成銘柄、セクター比率等を調べてみました。

 

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1.HDV 特徴

HDVとは

HDV((iシェアーズ・コア高配当株ETF)ヘルスケアや生活必需品、エネルギー、通信を中心にセクター構成が非常に幅広く投資されています。景気によって価格が左右されにくく業績が安定したディフェンシブな傾向が強いファンドのため、長期保有に向いています。

まさに長期投資のための、王道ETFと言えそうです。

HDVの主要データ

①投資する株式数

74銘柄

②経費率

0.08%

③配当利回り

3.35%

④配当金支払月と支払回数

3月、6月、9月、12月の計4回

分散銘柄数は74銘柄である程度集中していますが、経費も安い。購入して維持するにはコストが安く、安全ではないでしょうか。


 

2.HDV 構成銘柄

 

構成銘柄上位10社

順位 銘柄名 組入比率
1 エクソンモービル 7.18%
2 アッヴィ 6.83%
3 JPモルガン・チェース 6.29%
4 ジョンソンエンドジョンソン 5.85%
5 シェブロン 5.40%
6 ベライゾン・コミュニケーションズ 5.15%
7 プロクター・アンド・ギャンブル 4.31%
8 フィリップモリス 3.96%
9 メルク・アンド・カンパニー 3.60%
10 ブロードコム 3.50%

上位10社で全体の50%を占めています。

構成銘柄上位10社の詳細

※以下はウィキペディアより抜粋。

①エクソンモービル

エクソンモービルは、1863年(文久3年)設立のスタンダード・オイル等を起源として、1999年に設立された総合エネルギー企業である。アメリカ合衆国テキサス州に本社を置く石油メジャー最大手であり、スーパーメジャーと呼ばれる6社の内の一社である。エクソンモービルは世界200か国以上で事業を展開している。21か国に38の石油精製所を展開し、毎日の石油精製量は630万バレルである。エクソンモービルが保有している石油埋蔵量は2007年末で720億バレル換算とされ、現在の生産量で14年以上持つと予想される。

②アッヴィ

アッヴィは、アメリカ合衆国・イリノイ州・シカゴ北郊のレイクブラフに本社を置き、新薬の研究・開発・販売を行うバイオ医薬品企業。日本法人はアッヴィ合同会社。ニューヨーク証券取引所上場企業。世界70カ国以上にビジネス拠点を持ち、170カ国以上でアッヴィの医薬品が利用されている。

③JPモルガン・チェース

JPモルガン・チェースは、アメリカ合衆国ニューヨーク州に本社を置く銀行持株会社である。商業銀行であるJPモルガン・チェース銀行や、投資銀行であるJPモルガンを子会社として有する。JPモルガン・チェース銀行は米国外を含む商業銀行業務[注釈 1]を、JPモルガンは米国外を含む投資銀行業務[注釈 2]を分担している。ヘッジファンド部門は米国最大で、340億ドルを管理している。

④ジョンソンエンドジョンソン

ジョンソン・エンド・ジョンソンは、アメリカ合衆国ニュージャージー州ニューブランズウィックに本社を置く、製薬、医療機器その他のヘルスケア関連製品を取り扱う多国籍企業である。ニューヨーク証券取引所上場企業。ロバート・ウッド・ジョンソン、ジェームス・ウッド・ジョンソン、エドワード・ミード・ジョンソンのジョンソン三兄弟が創業した。滅菌の概念を世界で初めて製品に導入。家庭用のバンドエイドや綿棒、ベビーオイルから医療機関で使用する医療機器、薬剤、薬、コンタクトレンズのアキュビューなどを製造販売している。一般企業の社訓にあたるOur Credo(我が信条)が有名。50年以上10%成長を続けている。

⑤シェプロン

シェブロンは、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンラモンに本社を置く石油関連企業である。石油を始めとするエネルギー関連製品を扱う民間企業であり、現在世界の石油関連企業の中でも特に巨大な規模を持つ国際石油資本、いわゆるスーパーメジャーと総称される6社の内の一社である。石油やガスの探鉱、生産、輸送、精製、販売を垂直統合で一括で行っている。また化学薬品の製造販売、発電事業なども行っており事業規模は多方面である。シェブロンは世界180ヶ国以上でビジネス展開している多国籍企業である。系列会社を含めて世界84カ国に販売ネットワークを持ち、約24000ヶ所以上の小売所を持っている。アメリカ、アジア、ヨーロッパの13の発電事業者の資産を保有している。代替エネルギー分野では、燃料電池、太陽光発電、二次電池、バイオ燃料、水素燃料、地熱発電などへの投資を積極的に行っている。

⑥ベライゾン・コミュニケーションズ

ベライゾン・コミュニケーションズは、アメリカ合衆国ニューヨーク州に本社を置く、大手電気通信事業者である。Verizonという社名は、「Veritas(ラテン語で真実)」と、「Horizon(地平線)」を合成したもの。ダウ工業株30種銘柄の1社であるベライゾン・コミュニケーションズは、世界最大級のグローバルネットワーク・セキュリティ・クラウドプロバイダー。ベライゾンは、米国1億1千万人以上の加入者を持つ米最大の携帯事業者であるベライゾン・ワイヤレスを傘下に擁し、固定通信事業では、米国内消費者向けにFiOSを含むインターネット・音声・データ通信と、また世界150ヶ国においてフォーチュン1000の99%を占める企業顧客と政府機関向けにグローバルネットワーク・セキュリティ・クラウドサービスを提供している。

⑦プロクター・アンド・ギャンブル

プロクター・アンド・ギャンブルは、アメリカ合衆国オハイオ州に本拠を置く世界最大の一般消費財メーカーである。略称はP&G(ピーアンドジー)。日本でもP&Gジャパンを展開している。

1837年にローソク業者のウィリアム・プロクターと石鹸業者のジェームス・ギャンブルの共同出資により設立された。洗剤や化粧品などの一般消費財を製造販売する企業で、世界最大の一般消費財メーカーである。ホームケア製品、紙製品(パンパース)、化粧品(マックスファクター)、ヘアケア製品(ヴィダルサスーン、パンテーン、h&s、ハーバルエッセンス)、ヘルスケア製品(歯磨剤 Crest)など多数の事業を保有し、世界180カ国以上で事業展開している。世界でも収益性の非常に優れた企業として知られている。マーケティングに極めて力を入れる企業として知られ、社内でのブランド・マネジャー相互の競争はきわめて激しいという。ビジネス誌フォーチュンにて、「社員の能力」が業種を超えて世界ランキング第1位に選ばれており、人材輩出企業としても評価が高い。P&Gのブランド戦略は、MBAのケーススタディの題材としてもよく取り上げられる。

⑧フィリップモリス

フィリップモリスは、アメリカ合衆国ニューヨーク州に本社を置く、世界最大のたばこメーカー。統括本部はスイスのローザンヌにある。日本法人のフィリップ モリス ジャパン合同会社は東京都千代田区永田町山王パークタワーに構える。

1847年に煙草屋のフィリップ・モリスによってタバコの葉と紙巻きタバコを商う店としてロンドンのボンド・ストレートにて創業された。

主要な銘柄に「ラーク」(旧︰フィリップモリス)、「マールボロ」(日本ではJTが2005年4月末までライセンス生産)、「バージニア・エス(旧:バージニア・スリム)」「パーラメント」などがある。「マールボロ」はF1、WRCなどのモータースポーツのスポンサーとしても有名である。略称はPM。2005年初頭から一部銘柄でアメリカからドイツへの製造移管が始まり、国内部門と海外部門が分割された。2007年11月頃に、マールボロ(アイスミント以降の新商品は最初からEU製)を除く全銘柄でスイスやドイツ、オランダへの製造移管が完了した。2009年3月頃に、最後に残ったマールボロの基本銘柄に関してもスイスやオランダへの製造移管が完了している。

⑨メルク・アンド・カンパニー

メルク・アンド・カンパニーは、アメリカ合衆国ニュージャージー州に本社を置く、製薬会社である。MSD株式会社 (MSD K.K.) は、メルク・アンド・カンパニーの日本法人である。メルク・アンド・カンパニーは北米においてのみメルク (Merck)を名乗り、日本を含むその他の地域ではMSD (Merck Sharp and Dohme) の名でビジネスを行っている。一方、世界的に「メルク」の名称を用いているドイツのメルク(Merck KGaA)は、北米においてのみEMD (Emanuel Merck, Darmstadt)の名でビジネスを行う。

アメリカを本拠とする世界的な製薬企業であり、世界140カ国以上で事業を展開している。2011年の売上高は480億ドル。従業員数は約86,000名(2011年12月現在)。株式がダウ平均株価の構成銘柄に選ばれている。

1990年代までは医薬品業での世界売上高が断続的にトップであったが、2000年代はM&Aによる業界の再編に伴ってサノフィ・アベンティス、ファイザー、グラクソ・スミスクラインなどに抜かれた。しかし米国メルクは2009年11月に米同業大手のシェリング・プラウを買収、売り上げ規模においてはファイザーに次ぐ世界2位に復している。

⑩ブロードコム

ブロードコムは、無線(ワイヤレス、ブロードバンド)および通信インフラ向けの半導体製品、ソフトウェアなどを製造販売するファブレス企業。本拠はシンガポール(登記上)とアメリカのカリフォルニア州サンノゼ。ブロードコムの製品は、コンピュータネットワークおよび通信ネットワーク全般をカバーする。企業/都市向け高速ネットワーク、SOHOネットワーク向け製品、イーサネット向けと無線LANの送受信ICとマイクロプロセッサ、ケーブルモデム、DSL、サーバ、ホームネットワーク機器(ルーター、スイッチなど)、携帯電話(GSM/GPRS/EDGE/W-CDMA)などである。高速暗号コプロセッサでも知られている。これは、暗号化や復号をプロセッサ以外で行うことで主プロセッサの負荷を低減させるチップであり、電子商取引やPGPあるいはGPGを使ったセキュアな通信で役立っている。

 

3.HDV セクター比率

HDV 構成比率
ヘルスケア 22.71%
エネルギー 18.22%
生活必需品 16.79%
金融 11.64%
情報技術 8.98%
公益事業 8.03%
資本財・サービス 6.24%
通信 5.20%
一般消費財・サービス 1.15%
素材 0.67%
キャッシュ、デリバティブ等 0.37%

エネルギー・ヘルスケア(医療関連)・生活必需品で全体の57.72%を占めています。

 




4.HDV 長期チャート分析

約11年間のデータです。

価格だけでも2倍以上に上がっています。

さらに配当金による収入が利回り3.3%で入ってきます。

配当金ももらえるし、値上がり益も狙えるのが特徴のETFです。

5.HDV/SPYD/VYM/VIGとの各項目を比較

人気高配当株ETFと比較してみました。

人気ETF銘柄の特徴

HDV(iシェアーズ・コア高配当株ETF)ヘルスケアや生活必需品、エネルギー、通信を中心にセクター構成が非常に幅広くなっています。景気によって価格が左右されにくく業績が安定したディフェンシブな傾向が強いファンドのため、長期保有に向いています。

SPYD(SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF)はS&P500指数を構成する銘柄のうち、配当利回り上位80銘柄である高配当株で構成されたETFです。

VYM(バンガード・米国高配当株式ETF)は米国の大型企業の高配当株ETFであり、安定した配当が期待できます。

VIG(バンガード・米国増配株式ETF)は米国の10年連続増配の銘柄のみであるETFで、安定成長の値上がり益と配当が見込めます。

HDV/SPYD/VYM/VIG 主要データの比較

HDV SPYD VYM VIG
①投資する株式数 74銘柄 80銘柄 410銘柄 267銘柄
②経費率 0.08% 0.07% 0.06% 0.06%
③配当利回り 3.35% 6.11% 3.46% 2.01%

経費率はVYM=VIG>VIG=SPYD>HDVの順にコストが小さく優秀ですが、経費率の差はほとんど無いといっても良いレベルと考えてよいでしょう。

配当金はSPYD>VYM>VIG>HDV>VIGの順に高いです。

HDV/SPYD/VYM/VIG 期間別パフォーマンス(株価値上がり益)

※2022年3月25日時点のパフォーマンス

HDV SPYD VYM VIG
1カ月 4.06% 3.46% 3.42% 2.55%
6か月 12.00% 10.88% 7.70% 2.65%
1年 11.83% 14.82% 11.82% 9.51%
5年 27.98% 25.44% 46.35% 80.24%

過去の実績では長期的は上昇相場であったので、

5年間での値上がり益は、VIG>VYM>HDV>SPYD

となっています。

ただ最近の金融引き締め、ロシアによるウクライナ戦争によってコモディティ関連の価格が上昇し、下落相場入りしたことによって、直近6カ月での成績で見ると、HDV>SPYD>VYM>VIGの順に見事に逆転しています。

その時々の世界情勢や景気によって、パフォーマンスに差が出ていると考えられます。

HDV/SPYD/VYM/VIG 組み入れ上位銘柄比較

HDV/SPYD/VYM/VIG セクター別の比較

各ETFをセクターごとに分けて見ます。

①HDVのセクター特徴

エネルギー・ヘルスケア(医療関連)・生活必需品で全体の57.72%を占めています。そのうちの半数以上がディフェンシブ銘柄であるヘルスケアや生活必需品となっており、安定した値動きが期待できます。ただ、エネルギーとヘルスケアの比率が多いのでエネルギー価格の影響や医療関係(疫病の流行)等の状況によって左右されやすいです。

②SPYDのセクター特徴

公共事業などのディフェンシブなセクターと、金融・エネルギー・不動産など景気に敏感なセクターで62.67%を占めています。景気敏感株が多めという印象でしょうか。

③VYMのセクター特徴

金融、生活必需品、ヘルスケア、工業製品で57.5%を占めています。景気敏感株である金融、工業製品と景気に左右されにくいディフェンシブ銘柄の生活必需品、ヘルスケアなどが織り込まれていますので、安定した値動きが期待できます。他に比率は低いですが、通信、テクノロジーなど、値上がり益を狙うセクターも少し含まれています。

④VIGのセクター特徴

VIGはどちらかというと、増配成長企業がメインに含まれています。長期に渡って利益を出し続け、成長し、配当も増やし続けた企業です。長期間配当を増やし続けられるということは、大きな不況時にも致命的なダメージを受けず、不況につい良い側面があります。すなわち人々の生活に必要なものであり、代替えが容易でない商品を扱っていて、価格競争力のある強い企業が多いということが言えると思います。

6.まとめ

現在の情勢でHDVの株価が上がる理由

現在の世界情勢からロシアの原油等の輸入禁止による、エネルギー価格の上昇によって、エネルギー関連株の価格上昇しました。また新型コロナウィルスの蔓延によってヘルスケア株が上昇した事など、HDVの2大主要セクターにプラスの要因が大きく作用したことが株価が上昇しつづける理由であると考えられます。




HDV 買い時

買い時を考えてみます。HDVは主に3つのセクターで主に構成されていますが、エネルギー関連では石油価格等、エネルギー材料の高騰前、ヘルスケア関連で行くと新しい感染症が発生し、感染が拡大した時。生活必需品に関しては、あまり上下することがないのでエネルギー関連の供給不足などの危機時や、疫病などの感染症が流行した時にHDVは買い時になると思われます。

 

今後の展望

セクター比率でみると、ロシア経済制裁によって、今後価格が上がると思われるエネルギー関連、コロナウィルスの影響により、必需品となったワクチン接種。株価が上昇する要因が続くと考えられるので、しばらくの間は安定して株価上昇が期待できるのではないかと考えられます。また、ディフェンシブ銘柄の構成も多いので、大きく下落しにくい側面があると思われます。リスクとしてはエネルギーの価格が暴落した時に、大きく下落する可能性が高いです。

ただし何が起こるかわからないのが世界情勢。集中投資しすぎず、資産の一部として入れておくのがオススメかと思われます。投資は最終的には自己判断でお願いします。

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