半導体最強企業TSMCと日本企業の強み。
何かと世間を騒がせている半導体。トヨタ自動車は半導体不足で4割減産する計画を出しています。今、半導体は世界中で取り合いになるほど需要が増しています。IT化が進んでいく世の中で、これから伸びていくのは間違いありません。関連する企業をピックアップしていきたいます。
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世界的な半導体不足の要因
まず、半導体が不足している原因から探っていきましょう。いろいろな事が重なって起きています。半導体が使われるモノの需要が圧倒的に増えたことと、作るために必要なモノが供給できなかった2つの側面があります。具体的には以下です。
1.コロナウィルスによるリモートワークが普及。
パソコン、通信機器が想定以上に使用され伸びた。
2.コロナウィルスによる巣ごもり需要
ゲーム機の販売が好調で特需が予測外多かった。
3.米中ハイテク覇権争い。
米国が中国を排除し始める。ファーウェイの幹部拘束事件など。中国からのサプライチェーンを変 更。新しく見直した。
4.コロナで世界経済が悪化し、物が売れないと予測していたが外れた。
自動車は売れないと思われていたが、予想外に売れた。
5.台湾で水不足
半導体は製造に水を使うが、半導体製造国No.1の台湾で水が不足。生産量が減少した。
6.ルネサスの半導体製造工場の火災
半導体の製造工場の火災によって、生産量が減少した。
これらの要因によって、半導体不足がしばらく続くと言われています。
半導体の概要。どんなものに使われているのか。
半導体は様々な種類があり、いろいろな機器に使われています。
使われる装置によって使われる半導体が変わる。
スマホ向けは5ナノ
パソコン向けは10ナノ
車向けは40ナノ
現状量産されている半導体は、最先端スマホに搭載されている5ナノが一番小さく微細化されています。微細化するほど高度な技術が必要なのですが、製造する場合にはそれぞれのサイズ毎の専門性が必要です。半導体は通常の工場でみるような製品のように、組み立てて作るわけではなく、化学工場のイメージに近く、膜を作って回路をつくっていきます。材料を投入したら止められず、それぞれのサイズに専門性が有り、例えば5ナノと40ナノを同時に作ることはできません。イチから完成品を作るのに4ヶ月~半年以上の単位で時間がかかると言われており、先行受注が必要な部品です。不足したからといって、今日明日にでも作れるものではないのです。
圧倒的な半導体シェアを誇る、TSMCの強さ
![](https://i.gyazo.com/2d1990f0af70a549c41c1d5dd3570bf4.png)
1位:TSMC
1社で世界シェアの50%以上を占めています。半導体の世界工場といって良いでしょう。5ナノメートルの半導体が安定して作れます。22年には3ナノメートルの量産を開始する予定で、さらに2ナノメートルの試作にも乗り出しています。
2位:サムソン
1位との差は3倍以上とかなり大きいです。TSMCに遅れること半年、5ナノが量産でつくれるようになった状態です。
最先端のスマホ向け半導体を安定して供給できるのはTSMCしかいない、一強状態
5ナノレベルの半導体を唯一安定して作れる、TSMCの企業価値が上がっています。TSMCは自社製品はなく、半導体製造の専門メーカーです。売上は1位が米アップル25%、2位が米AMDが10%などで、シェアの70%を北米企業が占めています。
TSMCが成功した理由
スマホ大手のアップルは、半導体が作れないのでどこかに作ってもらわなければいけませんが、スマホのライバル企業、サムソンには頼みにくいです。インテルはスマホ半導体を今は得意でなく。パソコン用がメインとなっています。この様な状況から、アップルはスマホの半導体をTSMCに発注せざる負えない状況になっています。
TSMCはファウンドリーメーカー(自社製品をもたず、半導体の生産のみ請け負う企業)です。自社回路の設計ルールがあり、それらの半導体を使用するスタートアップ企業・ファブレス企業(設計開発のみ)に製品を提案するのが上手です。スタートアップ企業・ファブレス企業は半導体を作るのがメインではなく、製品で戦うことがメインですので、TSMCのルールで半導体を設計すれば、製品が出来るのであれば、そのルールで設計するだけで済むので、半導体製造はTSMCに発注したほうが楽です。この構図が20年ほど続いた結果、TSMCは世界一の半導体企業へ伸びていきました。
日本の半導体が衰退した理由
30年までの日本は、いまのTSMCのように世界の半導体の50%のシェアをもっていましたが、衰退していきました。かつての日本の家電メーカーは、自社製品用メインに半導体を作っていました。その製品が売れれば、半導体の仕事も増えますが、製品がなくなると半導体部門の仕事も無くなります。家電の衰退とともに、半導体部門も衰退していってしまったのです。一方でTSMCは自社製品をもたず、複数の顧客に半導体の専門メーカーです。半導体を様々な顧客に提供し、顧客を多様化することで、安定したポートフォリオを組んでリスク分散できました。一社がダメでも他が伸びれば良いので、安定的に利益を出し続けることができたのです。
日本企業は半導体産業に入っていけるか。
TSMCが茨城県の筑波に製造拠点を儲け、日本の開発パートナー20社と半導体製造の研究開発する計画が出ております。半導体製造には、前工程と後工程がありますが、筑波では半導体製造の後工程のシリコンウェハースの回路をパッケージする工程を担当します。日本はこれをチャンスとみて、半導体の製造技術を得ようとしています。
実は日本の強みは、半導体製造ではく、半導体の素材と半導体製造装置
今の日本は、半導体をつくるのに実力不足です。まず日本が目指すはいまだ世界のトップシェアである、素材、製造装置の技術を握っておき、強化していくことが重要です。TSMCやサムソンも、半導体の素材と半導体製造装置がなくては半導体は作ることができません。
日本の半導体関連の銘柄は何か。投資先となるか。
日本は素材と装置の技術はまだ世界シェアトップクラスです。茨城県の筑波の拠点での開発パートナー20社は以下となっています。
素材メーカー
旭化成 イビデン 積水化学工業 東京応化鉱業 JSR 長瀬産業 昭和電工マテリアルズ 日東電工 信越化学工業 日本電気硝子 新光電気工業 富士フイルム 住友化学 三井化学
装置メーカー
キーエンス 芝浦メカトロニクス 島津製作所 ディスコ 東レエンジニアリング 日立ハイテク
これらの素材メーカー、半導体メーカーはこれから伸びる可能性があるので、投資先として注目しておいて良いかも知れません。
経済産業省の方針 半導体・デジタル産業の新戦略
30年前には世界の50%のシェアを握っていた日本。国内に最先端の半導体の生産拠点をつくることを計画しています。
家電で失敗した教訓から自前主義でなく、海外企業と合弁で工場を設立
国内の製造基盤を確保。先端半導体の次世代製造技術の国産化を推進。
半導体工場の刷新をすすめ、半導体を産業再生する。半導体を制するものが世界を制する。
そのようにおっしゃっていますが、いまからTSMCを製造技術で追いかけるのは至難の業だと思います。失われた30年。取り戻すのは並大抵のことではないでしょう。製造に取り組むことは良いのですが、それよりも現在世界トップレベルにある半導体素材と半導体製造装置の技術を伸ばし、TSMC、サムソンなどに影響力を持てる事の方が重要かも知れません。
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