オークツリーオークツリーキャピタルのハワード・マークス氏は、シリコンバレーバンク(SVB)の破綻についてのメモを発表しました。シリコンバレーバンク(SVB)の破綻から学ぶべき教訓、その経緯や意義、そして銀行経営の重要なポイントについて要約し、考察しました。
↓↓↓のバナーを押してくれるとありがたいです!ランキングに参加してます。
以下は、原文
https://www.oaktreecapital.com/insights/memo/lessons-from-silicon-valley-bank
の要約です。
破綻の経緯
SVBは、主にテクノロジーとヘルスケアのスタートアップ企業を支援するベンチャーキャピタルの顧客を持つ米国の地域銀行でした。近年、スタートアップは投資家の現金の主要な行き先であり、SVBの預金は2019年末の620億ドルから2021年末には1890億ドルに3倍になった。顧客からの預金が急増しましたが、貸出需要は低迷しました。その結果、SVBは預金の大部分を長期債券に投資(910億ドル)しましたが、これが彼らの破綻につながることになりました。
2022年から2023年にかけて、米国連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを開始したことで、債券価格が急落しました。特に長期債券は大きく値下がりしました。SVBは、債券を保有期限まで保有するつもりだったため、債券の時価評価損を計上していませんでしたが、SVBの証券保有額は市場価値で210億ドル減少したことが噂になり、預金者が引き出しを始めた。引き出しに対応するために証券を売却したことで、損失が確定し、財務諸表上でも反映された。これがさらなる引き出しを誘発し、銀行は資金不足に陥った。これにより、預金者が次々と資金を引き出すようになりました。
SVBは資金引き出しに対応するために債券を売却せざるを得ませんでしたが、これにより時価評価損が実現損となりました。さらに、債券の売却により同行の資本比率が低下しました。これらの事態は同行の信用力をさらに低下させ、預金者や債権者の不安を増幅させました。
最終的に、SVBは資金繰りに行き詰まり、連邦預金保険公社(FDIC)から破綻宣告を受けました。FDICは同行の資産と負債を他の銀行に譲渡しましたが、一部の預金者や債権者は全額返済されませんでした。
破綻による他の金融機関への影響
マークス氏は、SVBの破綻が他の銀行や金融機関に直接的な影響を与える可能性は低いと考えていますが、それでも投資家や貸し手はより慎重になり、信用市場ではより厳しい条件や高い利回りが求められるようになると予想しています。また、SVBから資金調達していたスタートアップやその他の企業は資金調達が困難になるでしょう。
SVBの破綻が金融危機や大恐慌と同じようなシステミックリスクを引き起こすとは考えていないものの、マークス氏は市場に深刻な影響を与えるだろうと述べています。彼が挙げる影響の中で、以下の点が特に重要です。
SVBの顧客であるスタートアップやベンチャーキャピタルは、資金調達や預金の安全性への懸念から、他の銀行への移行を検討するかもしれません。しかし、他の銀行がSVBほどスタートアップに理解があり、有利な条件で貸し出すとは限りません。
SVBの破綻は、テクノロジーとヘルスケアのセクターへの投資家の信頼を損なう可能性があります。これらのセクターは成長率が高く、イノベーション力もありますが、リスクや不確実性も高いため、SVBの破綻がバブルや過剰評価の兆候と見なされるかもしれません。
SVBの破綻は、金利上昇に対する市場の感度を高めるでしょう。SVBは長期債券に大きく投資しており、金利上昇で大きな損失を被りました。他の銀行や金融機関も同様に長期債券に投資しており、金利上昇で価値が下落する可能性があります。
マークス氏は、SVBの破綻から学ぶべき教訓として、銀行や金融機関はリスク管理を徹底し、投資家や貸し手は常に慎重であるべきだと指摘しています。また、市場は常に変化するため、投資家や貸し手は柔軟に対応する必要があると強調しています。
マークス氏はSVBの破綻が市場に与える影響がまだ見えていないものの、楽観的ではないと述べています。彼は、市場参加者が慎重になり、信用市場が厳しくなり、経済活動が困難になる可能性が高いと考えています。そのため、彼は投資家や貸し手に対し、リスク管理、慎重さ、そして柔軟さを重視するよう促しています。
投資家や金融機関がとるべき具体的な対策
マークス氏はSVBの破綻を受けて、投資家や貸し手が今後取るべき具体的な対策を提案しています。
この事件から学べる教訓は以下のとおりです。
リスク管理の強化
投資家や貸し手は、自分たちが関与する取引や投資先に対してリスク管理を徹底的に行い、適切なリスク対策を講じるべきです。また、金利上昇や市場の変動に備えて、ストレステストやシナリオ分析を定期的に実施し、リスクに対する適切な対応策を準備しておくことが重要です。
情報収集と分析の強化
投資家や貸し手は、関与する企業や市場の動向について十分な情報収集と分析を行い、適切な投資判断を下すべきです。また、業界や市場の専門家の意見を参考にし、独自の見解を持つことが重要です。
ダイバーシフィケーションの推進
投資家や貸し手は、リスクを分散させるために、投資先や貸出先を多様化することが重要です。特定の業界や地域に偏りすぎることなく、リスクを適切に管理することが求められます。
長期的視点の維持
短期的な利益追求だけでなく、長期的な視点を持って投資や貸出を行うことが重要です。市場は変動が激しいため、短期的な変動に惑わされず、長期的な成長や安定を目指す投資判断が求められます。
最後に
最後に、マークス氏は、SVBの破綻が市場に与える影響は時間とともに明らかになると述べています。しかし、彼はこの機会に、投資家や貸し手がリスク管理や慎重さ、柔軟性を重視することで、より堅実で安定した金融市場を築くことができると信じています。
以上が、シリコンバレーバンクの破綻から学ぶべき教訓です。銀行経営者や関係者は、これらのポイントを意識してリスク管理や運営を行うことで、将来的な破綻を防ぐことができます。さらに、これらの教訓は、銀行業界だけでなく、他の金融機関や企業にも役立つものとなるでしょう。
投資成績を上げてくれるオススメ書籍について
オススメの投資本を以下にリンクしますので、一度読んでみて下さい。
オススメ!投資本 ~投資成績を上げてくれる一流の投資本~
Amazon 書籍ランキング
株式投資・投資信託 の 売れ筋ランキング
投資・金融・会社経営 の 売れ筋ランキング
総合売れ筋ランキング
Kindleストア の 売れ筋ランキング
Audible オーディオブック の 売れ筋ランキング
↓↓↓のバナーをポチっと押して下さい!ランキングに参加してます。


コメントを残す