リスクを認識する。今の価格で、適切なリターンがあるのか疑うこと。
投資でリスクとリターンは切り離せない関係です。
リスクを意識する上で必要なことは、3つあります。
①リスクを理解する
②リスクを認識する。
③リスクをコントロールする。
これらを知ることで、リスクをコントロールでき、高いリターンを得ることができます。
「①リスクを理解する」については前回の記事に書きましたので、ご参照下さい。
いま現在、投資しよう、または保有している商品に、リスクがあるのではないか?と気づく事が大事で、今回は「②リスクを認識する」ことについて書きたいと思います。
リスクの認識は、リターンを生み出すために絶対に必要な条件になります。投資家が過度に楽観的にリスクをないがしろにし、その資産を高すぎる価格で買っていると気づいたとき、リスクの認識が起こります。また、高リスクをとるのであれば、高いリターンを要求するのが通常ですが、高リスクに対して低いリターンが表裏一体に起こり始めると、リスクが高まっていると認識されることになります。
このようなときこそ、本質的価値と価格の関係を考えることが、リスクに対処する上で必要不可欠になります。
ハワード・マークス氏の名著「投資でいちばん大切な20の教え」を参考にしています。
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リスクが生じる主要因
、
①リスクが低い。又は、リスクがなくなった。とする「思い込み」
人の「思い込み」によって価格が上がり、期待リターンが低くても、価格をバブルの水準まで押し上げます。後に、高リスクだったと判明するのは、過去から何度も繰り返されており、これからも起こる可能性が非常に高いです。
低リスクだと、勘違いさせるものの例として、
・中央銀行の経済運営で、景気変動リスクが小さくなる。例えばコロナショックでの大量の金融緩和 で、世界中がお金を刷りまくったり、金利を下げたりしている。景気はよくなっていないのに、そのお金が投資に向かっている。
・グローバル化が進み、リスクがある地域に集中せずに、世界中に分散投資できるようになった。
・コンピュータ、数学的手法によって、金融市場への理解が深まり、リスクが低下している。
など、金融リスクを下げる取り組みがあらゆるところで起きており、投資家がリスクがなくなったと思い込んでしまい、価格をどんどん押し上げていきます。
アメリカの雪崩研究専門家、フレッズトンの言葉に
「安全装備を充実させると、登山者はより高いリスクを冒し、かえって安全性が低下する。」
この話は投資に通ずるものであり、同じことが言えるのです。
「リスクがなくなった」というのは神話であり、警戒心や損失の懸念を忘れる一方、儲けられる機会を失うリスクばかり気にするようになってしまいます。
②高すぎる価格によってリスクが生まれる
価格が高くなっている要素として、
①楽観主義の行き過ぎ
②懐疑主義(疑いの目)とリスク回避が鳴りを潜める。
③安全性が高い資産の期待リターン(利回り)が低い
④高リスク資産が高パフォーマンスを演じ続けている。
⑤資金が大量に流入している。
⑥融資基準がゆるい
などがあります。
これらに多く該当していれば、価格が高くなりすぎている可能性があります。
リスクは投資家にとって重要なものですが、計量することができませんので、認識することは極めて難しいですが、これらの傾向がないか、掴むことが大事です。
リスクが拡大するプロセス
①人はリスクを認識する自身の能力は過大評価する一方、リスクを避けるためにすべきことを過小評価する。そして知らず知らずのうちにリスクを許容してしまっており、さらにリスクを生み出す。
②投資家の買いが集中してしまうと、価格上昇に拍車がかかり、期待リターンが低下していく。
③そのうち、投資家がリスク・プレミアム(リスクを取る分だけ要求すべきリターン)を要求しなくなる。
・リスクを取る投資家が増えるとリスク・プレミアムが小さくなってリスクが大きくなる。
・リスクを取らない投資家が増えるとリスク・プレミアムが大きくなり、リスクが小さくなる。
皮肉にも、リスクを取る人が増えるとリスクが大きくなり、リスクを取る投資家が減ると、リスクが小さくなるという反対の事が起こります。
まとめ 高リスクを認識する重要ポイント
皆が言っている事と、真実はたいてい逆になる。
高リスクになっていることを認識する上で重要な点は以下2点です。
①誰もが高リスクと考えている資産の価格はたいてい、不人気のせいでまったく危険では無い水準に低下する。
否定的な見方が広まっていれば、それは最もリスクの低い資産になりえます。価格に楽観的な材料が全く織り込まれていないからです。
②誰もが質の高い資産と考えているものほど、実は高リスクになる。そのほとんどの投資家が資産の価格ではなく、質の高さをリスク判断の材料にしているため、価格に楽観的な材料が織り込まれ、本質的な価値以上の価格に押し上げられている可能性が高いからです。
誰もが飛びつくような意見は、リターンが低くなる可能性でなく、リスクが高くなる可能性も生み出していると考えましょう。
この二点を意識して、これから投資する、又は保有する資産が高リスクかどうか、本質的価値から価格を分析ししてみてはいかがでしょうか。
本質的価値については過去記事にまとめてありますので、下記のリンクを参照下さい。
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