シングルは、個人の選択肢として尊重しなくてはならない。
結婚して子供を産み育て、幸せな家庭を築いて死んでいく。
それが従来の先進国ではロールモデルでした。
ところが現代では未婚率が急激に上昇しているようです。
なぜシングルという選択肢を選ぶ人が増えているのか。そして結婚しない選択をした場合、得るものは何なのか。
早速リサーチしました。
先進国の未婚率が急上昇している
シングルの方が、良いと思っている人も一定数いると思います。そして先進国の未婚率は徐々に増えていっているようです。
厚生労働省ホームページより引用
上記のグラフから、先進国では年々結婚率が減少する傾向にあります。
シングルの比率が高まる理由は?
先進国における未婚率の急上昇には、複数の社会的、経済的、文化的要因が絡み合っています。以下は、その主な理由のいくつかです。
①経済的自立とキャリア志向
若者、特に女性の教育水準が向上し、キャリアを重視する傾向が強まっています。経済的自立を達成することが、結婚よりも優先されるようになりました。
②結婚に対する価値観の変化
結婚や家庭生活に対する価値観が多様化し、個人の自由や選択を重視する傾向が強まっています。結婚を人生の必須ではなく、一つの選択肢と見なす人が増えています。
③結婚と子育てのコスト
経済的不安定性や住宅、教育などの高コストが、結婚や子育てをためらわせる要因となっています。特に都市部では生活費が高騰しており、結婚や家族を持つことの経済的負担が大きいと感じる人が増えています。
④晩婚化
教育やキャリアの追求、個人の成長や趣味などへの投資により、結婚を遅らせる人が増えています。これにより、結婚適齢期が従来よりも後ろ倒しになり、未婚率の上昇につながっています。
社会的なサポートシステムの変化:
過去には、結婚は経済的安定や社会的地位を得るための手段と見なされていましたが、現代では福祉国家の発展や社会保障制度の充実により、個人が結婚せずとも生活できる環境が整っています。
出会いの機会と方法の変化:
ソーシャルメディアやオンラインデートアプリの普及により、出会いの機会や形態が多様化しています。これにより、伝統的な結婚への道筋が曖昧になり、人々が結婚を決断するプロセスに変化が生じています。
これらの要因は相互に影響し合いながら、先進国における未婚率の急上昇をもたらしています。社会の変化に伴い、結婚に対する意識や選択肢も進化しているのです。
結婚しなくてはならない風習、結婚していなければ生きていく事ができない環境。他人に頼らなくてはいけないことも無くなった、現代では、シングルを選択する人が増え、未婚率が上昇するのは当然の成り行きなのです。
シングルは孤独で、結婚していれば孤独でないのか?
現時点では孤独死という言葉があって、シングルの人が知らず知らずのうちに亡くなる事件が多く発生していて社会問題になっています。結婚しないから、孤独死するんだ。そう思う方もいらっしゃるかもしれません。
仮に結婚していても、子供と一緒に暮らすことがなければ、パートナーに先立たれた片方の人は、必ずシングルになってしまうのです。
配偶者に高齢で先立たれた場合、最初から未婚の人に比べて孤独に慣れておらず、孤独感が爆増するようです。
そして子供がいるから大丈夫。と思っている人は、自分の子供に面倒見てもらえる保証があるのでしょうか。確実な補償などないし、子供に面倒を見てもらうのも負担をかけてしまうという思いから、自ら一人で暮らす、老人ホームに入居するなどの選択をする人もいるはずです。
これだけ長寿になった人間社会では、既婚者には配偶者に先立たれたり、子に先立たれたり、離婚したりで孤独に耐えねばいけないリスクがあるのです。
そんな時の孤独対策は
家族だけでなく、様々なコミュニティに所属して、友人を作る必要があります。また、現時点ではSNSなどソーシャルネットワークにつながる事でも、孤独感を薄める効果があるようです。
孤独対策も老後に備えてしておいた方が良いでしょう。
現在では未婚率は上昇の一途をたどっていますが、経済的に一人でやっていける時代になったこの日本では、もはや結婚をしたくない、結婚を選択肢から外す人も尊重すべきです。シングルを哀れに思い、結婚を無理強いする人がもしいれば、考え方が古く、ダイバーシティに反する可能性が高くなってきました。これは差別と言っても過言ではありません。特に女性は結婚に対するプレッシャーが高いといわれています。そんなプレッシャーに負けずに、シングルはシングルの楽しさを見つければ良いと思います。
シングルの利点とは?
人によって価値観が違いますが、シングルでは以下の利点が考えられます。
①自由度が高い
シングルの人々は自分の時間や資源を自由にできます。趣味、旅行、キャリアの追求など、個人的な関心や情熱により多くの時間を費やせます。
②自己成長:
一人で使える時間が多いことから、自己反省や自己発見の機会が増えます。これは、自己成長や個人的な発展に役立ちます。
③柔軟性
シングルであれば、人生の決断(例えば転職や移住など)をする際に、パートナーや家族を考慮する必要がないため、より柔軟に決断を下すことができます。
④社会的関係
独身の人々はしばしば、友人やコミュニティとの関係を深めるためにより多くの時間を費やします。これにより、多様な社会的ネットワークを築くことができ、孤独に対応することができます。
⑤経済的自立
経済的な決断を自分自身で行うことができ、自分の収入を自分自身のためだけに使うことができます。これにより、自分自身のためにより多くの投資を行ったり、自分の望むものにお金を使う自由があります。
⑥ストレスの軽減
結婚生活や家庭生活に伴う様々な責任やストレスから自由であることが、精神的な健康に良い影響を与えることがあります。
シングルのデメリットは?
メリットだけでなく、一般的なデメリットも上げてみます。
①社会的デメリット
一部の文化や社会では、結婚が成人のマイルストーンと見なされており、独身であることに対して社会的圧力や偏見が存在する場合があります。
孤立感: 結婚している友人や同僚が多い場合、社会的な集まりや活動で独身者が孤立感を感じることがあります。
②経済的デメリット
経済的には、二人で生計を立てる方がコストを分担でき、経済的な安定につながることがあります。独身者は家賃や日常の費用を一人で負担する必要があります。
一部の国では、配偶者や家族向けの社会保障制度の恩恵があり、独身者はこれらの恩恵を受けられない場合があります。
③心理的デメリット
配偶者やパートナーがいることで、困難な時期に情緒的な支援や助けを得やすくなります。独身者は、このような支援を家族や友人から得る必要があります。
④健康に関するデメリット
研究によると、結婚している人は独身者に比べて健康状態が良い傾向にあるとされています。これは、お互いの健康を気遣うことや、病気の際にお互いを支え合うことによるものかもしれません。
まとめ
これらのメリット・デメリットにもかかわらず、未婚率が上昇している現代では、多くの人がシングルを選択し、充実した人生を送っています。重要なのは、個々のライフスタイルの選択を尊重し、それぞれの選択が持つ利点と課題を理解することです。
価値観は人それぞれ。各々の価値観を尊重しつつ、結婚している人が優れているなど結婚マウントを取ったり、過去からの風習を押し付けたり、こうであるべきという「べき論」をするのはいけない時代になったという事です。ダイバーシティを認める世の中では、様々な視点、考え方を尊重してくべきなのです。
参考書籍:選択式シングルの時代
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