なぜ、人は動かされるのか?科学的・データ等の根拠から人の心理をしらべ、人に操られるのを防いだり、人を操る・コントロールしたいときに知っておきたい強力な武器を紹介してくれる本です。知ってれば、セールスやビジネスを仕掛けたり、逆に防御することができたりしちゃいます。とても分厚い本ですけど、面白くてどんどん読み進めてしまいます。
前回に引き続き、社会的証明のその3です。前回は、「みんながやっているなら、その行為は正しいと仮定してしまう。」原理を学びました。
今回は、社会的証明の効果を強める方法の紹介です。条件は2つあります。
1.不確かさ
2.類似性
だといいます。
この2つが合わさってしまうと、生や死に対する根本的な決定にまで関わるという、恐ろしい力になります。悪用は厳禁です・・・・・。
不確かさ
「人は、不確かな状況では、より一層、他者の行動を参考にする。」
ただでさえ、みんながやっているなら従おうとするのに、不確かな状況に人をもっていくと(もっていかれてしまうと)、もう真似るしかなくなる。ということです。
火事などが発生したりすれば、一人が逃げ出せば、あとに続くでしょう。みんなが避難する方向が一定なら、そちらに向かうでしょう。逆には行きづらいですよね。
類似性
「自分と似ている人が示す行動に従いやすい。」
言われてみれば、なんとなくわかるかも。
とある事例です。浮き輪をつけないと泳げない自分の子供をなんとかプールで泳げるようにしようと、優秀な大人のインストラクターを雇ったそうです。しかし子供は全然泳ごうとせず、泳げるようになりませんでした。ところがある日、突然子供が浮き輪をつけず泳げるようになるところを見たのです。
驚いて、子供になぜ泳げるようになったのか?尋ねると、「(同い年の)〇〇くんが泳げるんだから、僕にもできないはずがない」と答えたそうです。そう、自分に近い人でできる人を先生にしたほうが、よっぽど効果があったということです。まさに、自分に近い人を模倣する。ということですね。
これを悪い方向にもっていくと、自殺の模倣までさせてしまうのです。
新聞や、ニュースなどで、自殺の記事が出ると、なんと恐ろしいことに無関係の人まで巻き込まれています。データで証明されているようです。。。凶悪事件などが一度報道されると、少しして類似の事件が発生したりしませんか?自分と似たような他者を真似する・・・・無意識に、恐ろしい力が働いているのです。
ジョーンズタウン集団自殺
アメリカで実際に起きた、宗教団体の集団自殺の事件があるのですが、なぜ起きたのか?を科学的に分析しています。これは前述までの「不確かさ」と、「類似性」が合わさり起きた事件とされています。一人の信者が毒を飲んで死んだのを皮切りに、次々と死んでいってしまったのです。
1.不確かさ・・・・住む人になじみのない、ジャングルに寺院を移している。
信者は自分の住んでた土地から、全然わからない、恐ろしく「不確かな状況」に持っていかれています。
自分も、知らない土地にいったら、自分で判断するよりも、現地の人の言うことを盲目的に聞いてしまうことがあります。これは他者に誘導されやすくなりますね。
2.類似な人の行動
最初に毒を飲んだ、信者(同胞であり、同じものを信じる仲間)の行動が「類似性の原理」になった。
「不確かさ」と「類似性」が合わさって、次々と自殺する悲劇に発展したのです。
とても怖い話を聞いてしまいました。どうすれば、自分の身を守れるのでしょうか?
防衛法について
実は、仕掛けられた社会的証拠は、いいかげんに作られており、きづきやすい。(テレビに挿入されている笑い声など)
ようするに、これらの原理を知っており、意識しておれば、ほんの少し用心するだけで、身を守れるのです。
不確かさ、類似性などに注意し、自分が操られていないか、意識してください。特に生死に関わる場面では!自分の身は自分で守りましょう!
一読の価値がある、名著です。あなたの人生にきっと役立つ本かと。
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