バリュー投資の方がグロース投資より、リスクが小さい理由。本質的価値を把握すること。
投資には、バリュー投資とグロース投資という考え方があります。
バリュー投資の方が、グロース投資よりリスクが低いと言われています。
今回はバリュー投資とグロース投資とは何か?なぜバリュー投資の方がリスクが低くなるのかについて、まとめたいと思います。
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バリュー投資
バリュー投資とは、実物資産、利益、配当、キャッシュフローなど、現在目に見えるものを重視して投資する事。
将来どうなるかよりも、今の価値を重視し、本質的な価値を把握する。今の株価が本質的な価値を下回っていれば、投資をする。
グロース投資
グロース投資とは、才能、人気、将来性など目に見えないものを重視して投資する事。
現時点で目に見える利益が少なく、本質的価値が低くとも、将来本質的価値が上がると確信できれば、投資する。赤字でも積極投資が理由な場合など、事業拡大を重視する企業など。
要するに将来性に賭けるグロース投資は、当たる可能性もあり、当たらない可能性もありますので、ギャンブルの要素があるということになります。当たれば爆益を生み出す可能性があります。しかし今や世界を席巻する大企業に成長したGAFAMの設立時に、将来性を感じて積極的に投資できていた人はどの程度いたのでしょうか。あのAMAZONですら長年赤字続き、無配当を続けていました。赤字続きの企業の将来性を信じて、初期段階から投資できた人は当時どれだけいるのでしょうか。数ある企業の中から成長する企業を選び信じ抜き、当てるのは簡単では無いと思われます。
バリュー投資とグロース投資の考察
以上のことから、リスクという点ではグロース投資はバリュー投資に比べ大きいと考えらます。
ただ、バリュー投資に将来性を織り込まなくていいのでしょうか。答えはノーです。バリュー投資も必ず将来性も考えた上で投資することが必要です。今の価値が株価に対して過小評価なのか、過大評価なのか、に加えて、将来性も織り込んでおかないと先細りする企業に投資することになります。50年前にに衰退すると全く思われていなかった企業が、現在どれほど生き残っているのでしょうか。コダックやポラロイドのように、時代の変化によって淘汰された企業、動きの鈍さから競合他社にシェアを奪われたIBM、ゼロックスなどの会社もあります。投資しても長期的に将来性を当て続けるのは不可能に近いので、常に将来性は考慮し続け、時には売却したり軌道修正をかけるべきなのです。
現在の本質的価値 + 将来性を考えて投資することが、最もリスクの少ない選択肢であり、利益を大きく上げられることになります。
買いのタイミング
良い資産を安く買う。
これは理想です。まずは我慢強く本来の価値よりも高い株価で買わず、価格が下がるのを待ちます。値下がりするタイミングは色々あり、何らかのニュースで下がったり、その企業に問題がなくても世界的な不況や市場の一時的な問題で下がることも有るでしょう。
何らかの理由で価格が下がり始めた時に割安として買うチャンスが訪れますが、自分の買いたい価格を下回り、バーゲン品を買ったとしても、更に価格が下がり続けることが多々あります。下がり続ける圧力に屈して売却してしまう人が多いからです。バーゲン価格になっても耐え抜き、手放さないポイントとして2つあります。
①本質的価値を把握をしっかり把握して、その価格を下回った時に買う。
②買った後に下落を続けたとしても、あきらめずナンピン買いをし続ける。
これらを継続し続けた後、上昇局面で大きな利益を手にすることができます。
しかしながら、①が正しくなければ損失をだしますので、本来の企業の価値を正確に把握することが非常に大事なことなのです。
企業の本質的価値を把握する指標
1.本質的価値>現在の株価
本質的価値が現在の株価を上回っていれば、買いになります。その差が大きいほど、安全なマージンがあると言われます。
「本質的価値」とは事業が将来生み出すキャッシュフローを現在価格にしたときにどれくらいの価値があるかを把握する指標です。
本質的価値を求めるには、
①フリーキャッシュフロー
②フリーキャッシュフローの成長率
③割引率
が必要です。
キャッシュフローには、
①営業キャッシュフロー 本業でどれだけ儲けているか。
②投資キャッシュフロー 将来のためにどれだけ投資しているか。
③財務キャッシュフロー 資金調達活動により獲得した(又は流出した)資金はどれだけあるか。
など、色々ありますが、どんな比率でお金を生み出し、使っているかということです。
では本質的価値を求めるために、実際に計算してみましょう
フリーキャッシュフロー
フリーキャッシュフロー=(営業キャッシュフロー)-(投資キャッシュフロー)
となります。本業で稼いだ現金から、事業に必要なお金を差し引いたものになります。
一株あたりのフリーキャッシュフローを求めます。
一株あたりのフリーキャッシュフロー=フリーキャッシュフロー÷発行済株式数
フリーキャッシュフローが100億円、発行済株式数が5000万株とすると
一株あたりのフリーキャッシュフロー=100億円÷5000万=200円
現時点で一株あたり200円の現金を生みだす企業価値ということが分かります。
では、将来のキャシュフローを求めるほう法ですが、割引率と成長率を予測します。
②割引率
今現在、ある資産に100万円のキャッシュフローがあったとして、1年後に10%成長してキャッシュフローが伸びると仮定すると、1年後は110万円のキャッシュフローになります。通常現金の価値は、インフレ等によって将来になると下がっていく方向になります。1年後の110万円は、10%程度価値が下がると考え現在価値に置き換えた場合、100万円になると考えなければいけないのです。割引率は通常10%程度にします。
将来成長して増えるであろうキャッシュフローに割引率を使って現在価値に割り引いたキャッシュフローを求めます。
現在価値とは、将来に発生するキャッシュフローを、割引率を用いて現時点での価値に直したものをいいます。
このように割引率を使って、将来生みだすキャッシュフローを現在価値に割り引いて、本質的価値を考えます。
③将来の成長率を検討し、本質的価値を求める。
本質的価値=現在価値に割り引いたキャッシュフローの合計
であらわされます。
将来の成長率はある程度の予測になるので、正確に求めるのは非常に難しいでしょう。投資の神様ウォーレンバフェット氏は、おおむねで合っていれば良いと言います。
まずはその企業の過去の実績を調べます。過去数年間あるいは数十年間からの実績を調べると、キャッシュフローが年10%ずつ成長しているとします。
これから先は予測になりますが、将来のフリーキャッシュフローを考えてみます。今までの成長率が10%平均だったので、これから5年間は少し控えめに見て8%は成長していくだろう。先々はどんどん不確になっていくから、6~10年面は5%程度で成長し、11年目以降(永続的価値)は3%程度の成長になるだろう。
将来のキャッシュフローの設定は、
①1~5年目は8%の成長率
②6~10年目は5%の成長率
③11年目以降(永続的)は3%の成長率
④割引率はいずれも10%
以上の条件とした場合の、本質的価値をもとめる計算式は以下です。
①現在価値に割り引いた1株あたりのキャシュフロー=1株あたりのキャッシュフロー×(1+成長率)÷(1+割引率)
1年目 200円✕(1+0.08(成長率8%))=216円 216円÷(1+0.1(割引率10%))=196.36円
2年目 216円×(1+0.08)=233.3円 233.28円÷(1+0.1)の2乗=192.79円
3年目 233円×(1+0.08)=251.94 251.94÷(1+0.1)の3乗=189.29円
4年目 251.94×(1+0.08)=272.10 272.10÷(1+0.1)の4乗=185.85円
5年目 272.10×(1+0.08)=293.87 293.87÷(1+0.1)の5乗=182.47円
6年目 293.87×(1+0.05(成長率5%))=308.56 308.56÷(1+0.1)の6乗=174.17円
7年目 308.56×(1+0.05)=323.99 323.99÷(1+0.1)の7乗=166.26円
8年目 323.99×(1+0.05)=340.19 340.19÷(1+0.1)の8乗=158.70円
9年目 340.19×(1+0.05)=357.20 357.20÷(1+0.1)の9乗=151.49円
10年目 357.20×(1+0.05)=375.06 375.06÷(1+0.1)の10乗=144.60円
②永続的価値=最終年度のフリーキャッシュフロー×(1+成長率)÷(割引率-成長率)
永続的価値(11年目以降)=375.06×(1+0.03(成長率3%))÷(0.1-0.03)= 5518.74円
③本質的価値=現在価値に割り引いたキャッシュフローの合計=①の合計+②
本質的価値=196.36+192.79+185.85+182.47+174.17+166.26+158.70+151.49+144.60+5518.74=7071.43円
本質的価値>>現在の価格であって、十分に差が開いていれば、買いとなります。
※ただし、資産>負債が条件になります。負債のほうが大きい企業(債務超過)には投資してはいけません。倒産するリスクが通常より高いからです。
ただ、本質的価値は将来をある程度推測する力が必要なので、正確に求めるのは難しいかもしれません。予測しやすい安定した事業を運営している企業を選定し、大きめの安全マージンをとった上で投資するか検討しましょう。
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2.株価指標
そして現在の株価が割高なのか、割安なのか判断の指標として
決算書と株価指標(PBR、PER、ROE、ROA等)も合わせて判断します。
ここでは代表的な4つの指標をご紹介します。
①PBR <株価純資産倍率>
PBR=株価÷1株あたり純資産
※株価に対して、1株あたりの純資産が何倍かという指標
その会社の時価総額を会社が持っている不動産や設備などのすべての資産額として計上されているもので割ったものがを「PBR」といいます。
一般的には1倍以下は割安と言われ、買いの判断指標
と言われています。
②PER <株価収益率>
PER=株価÷一株あたり純利益
※株価が、1株あたりの純利益の何倍かを表す指標。
1株あたりの当期純利益のことで、「配当可能利益」とも言われています。純利益何年分で企業価値の元が取れるかということで、その会社に対する将来の期待度を表しています。「PER」が低いと、一般的に割安と考えられています。
10倍前後は株価が割安で、 20〜30倍は割高
とされています。
③ROE<自己資本利益率>
ROE(%) = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100
※企業が自己資本を効率的に使って利益を出したかを表す指標。
自己資本利益率が高い会社は、投資したお金を使って効率よく稼いでいる会社として見ることができます。逆に、自己資本利益率が低い会社は経営効率悪い判断されます。
一般的には、自己資本利益率が10%を超えていれば、優良企業とされています。
しかし借金などで負債をして、他人の資本をプラスすると、自己資本比率が小さくなります。他人のお金を投資(財務レバレッジという)して利益を上げても、ROEが上がり、一見すると優良企業に見えてしまいます。正確にその企業を判断するには、ROEだけでなく、ROAも合わせて見て下さい。
④ROA<総資産利益率>
ROA(%)=当期純利益÷総資産×100
当期純利益を総資産で割ることにより、ROAの数値がわかります。
※企業が自己資本と借りた資本など、全てを使って効率良く利益を出したかを表す指標。
ROAの計算式の分母は「総資産」となることに気を付けてください。総資産とは、自己資本だけでなく他人資本を含めたすべての資産のことを指しています。
一般的には、総資産利益率が5%を超えていれば良いとされています。
そしてこの会社は十分に企業価値があり、割安であると判断したときに買うことがリスクを減らす最善の手段ということになります。
まとめ
リスクを減らす投資手法として有効なこととして
1.バリュー投資をする。
実物資産、利益、配当、キャッシュフローなど、現在目に見えるものを重視して投資する事。
2.本質的価値を把握する。
本質的価値を測る方法として
①本質的価値を把握して、投資に値する会社か判断する。
将来のキャッシュフローと割引率を検討する。
本質的価値=現在価値に割り引いたキャッシュフローの合計額
決算書を読んで、キャッシュフローを調べる。資産より負債の方が多く、債務超過になっていないか確認。上場企業は決算書を公開しています。
②株価指標で株価を割高、割安を判断する。
PBR,PER,ROE,ROA等を見る。
3.将来性を考慮する
決算書、事業内容、世界情勢、経営者の資質、環境の変化など、あらゆる面から将来性が明るいかを把握して判断する。
4.上記1~3項全てを総合的に判断し、割安なら買う。
買った後に、下落を続けてたとしても上昇するまでナンピンで買い続ける。
今回はリスクを減らす投資方法についてまとめてみました。皆様に役立てられる情報であれば幸いです。
5.番外編
最高の買い時についてまとめた記事がありますので、こちらも参考にしてください。
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今回の記事は著書、「投資で一番大切な20の教え」を参考にしています。
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