心理学と経済学が交わるところ。行動ファイナンス
投資において、心理学は最も重要な要素です。心理は価格を大きく揺り動かします。ウォーレン・バフェットの師であるベンジャミン・グレアムは以下のように考えていました。
「投資家の感情が、株式市場の変動を起こす。数学やファイナンス、会計学に優れた能力を持つ者はいるが、自分の感情をコントロールできなければ、投資で利益を得ることは難しいのだ。」
ウォーレン・バフェットはベンジャミン・グレアムの原則について語っています。
グレアムの投資手法には3つの原則があります。
第一の原則 株式を企業としてみる。
株式=企業と考えると、市場を見ている人々とは全く違った世界が開けてくる。
第二の原則 安全なマージン
十分に割安な株を買う。これで他の人より優位に立てる。
第三の原則 株式市場に対して真の投資家として臨む事
真の投資家としての姿勢とは、株式市場で避けられない変動に対して、資金、心理の両面で準備が整っていることを示します。
真の投資家は、株式を嫌々売らなければいけないことなどまずないし、普段は、毎日の株価を無視しても構わない。とグレアムは言います。
投資家は合理的でなく、不安と貪欲さが市場にはびこっていて、間違いは日常茶飯事です。市場の動きに心理的に振り回されないためには、行動ファイナンス(ファイナンスと心理学が交差する分野)を理解する必要があります。
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行動ファイナンス
行動ファイナンスとは、心理学を使って市場の非効率性を解明する調査研究です。市場が効率的であるなら、株価はすぐに合理的な価格に変更され続けられるはずです。そうならないのは市場は非効率であり、人間の心理に大きな影響を与えるのです。
人間の心理が、株価に与える影響をまとめます。
1.自信過剰
概ね判断を誤る原因は、「自信過剰」にあるといいます。
多くの人に、自分の運転技術を尋ねると、平均以上といいます。医師に聞けば、自分は90%の確率で肺炎を正しく判断できるというが、実際は50%しか判断できていないようです。
投資家は自信を持っていて、自分は人より優れていると思っています。自分の腕と知識を過信する。自分が信じていることに合った情報を頼り、気に食わない情報は無視する。知らない情報を探すよりも、自分が他の投資家よりも良い情報を持っていて、他者を出し抜けると信じている事が多い。
要するの、自分に都合の良い情報ばかり収集し、必要な外部の情報、他人の意見に対して耳を傾けなくなり、間違った判断・情報を盲信してしまうのです。
2.過剰反応のバイアス
新しい情報を掴むと、投資家は最新情報というだけで推定してしまう傾向があります。自分は他人によりも明確に理解し、深い意味を読み取ったと確信する。他人が気づいていないことを見つけたと思っているので、さっさと判断してしまう。自分はデータを他人よりも理解し、深い意味を読み取ったと確信し、自信を過剰反応が増幅して、自信過剰にしてしまいます。
行動主義者は悪い話に過剰反応し、良い話に対しては反応が鈍いことを発見されています。これを過剰反応のバイアスといいます。短期的に損益が良くないと、投資家は唐突で、浅はかな過剰反応を示す。そしてそれが株価に影響を及ぼします。ほんの少しの期間、最初の成績が悪かっただけで殆どの投資家は過剰反応するのです。そうした投資家は負け組の株価が上がり始めた時に、得られるはずの利益を取りそこねるのです。
ITと株価がつながるようになった現代では、1日24時間、いつでも株価をチェックできてしまいます。これは投資家にとって、健全なこととは言えないのです。
3.損失回避のバイアス
人々は勝った時の喜びに比べて、2倍~2.5倍の重く考えることが証明されています。損失による痛みは、利益を出したときの喜びの2.5倍になるのです。人は儲かる話よりも、損失を避けようとします。これを損失回避のバイアスといいます。人はみな良い判断をしたと思いたい。損失を出していても間違いを認めません。売らなければ損失が確定せずに済むからです。しかし間違った株式を保有して放置していると、別の投資で得られたはずの利益を得るチャンスを失うことにもつながってしまいます。
4.メンタル・アカウンティング(心の会計)
人は周囲の環境の変化につれて、お金の使い方が変わります。これをメンタル・アカウンティングといいます。
投資を決定し、それをどう運営するかには、お金をどう考えるかが大きく関わってくる。ひどい状態の株式を売らない理由は、実際に売らなければ、損失が現実にならないからです。
思いがけないお金を得た場合は人は、投資でも大きなリスクをとってしまいます。例えば、なくしたと思ったお金が見つかった時、思わぬ形で得たあぶく銭などです。
自分で働いて得たお金を使うのと、思わぬ形で得たお金を使うのとでは、リスクのとり方が変わってくるのでメンタル・アカウンティング(心の会計)を意識して気をつけなければいけません。
5.近視眼的損失回避
購入した株式の評価額を見ることは、その資産で得られるはずだった利益を減らすことにつながります。人間は頻繁に評価すると大きな不安を感じ、苦しむことになります。持つことの苦しみに耐えかねて手放してしまうのです。
投資家を苦しめる要素は、損失回避と頻繁な評価です。この2つを合わせて、近視眼的損失回避といいます。
6.レミング・ファクター
レミング(タビネズミ)はツンドラ地帯にいる小さなリスで、集団で海になだれ込む集団自殺行動で知られています。
投資家が陥ってしまう心理的な落とし穴の一つで、他の皆がやっていることに従いたくなるという誘惑です。皆と同じことをやっているということは、利益を得られる可能性が少ないということになります。
まとめ
株価に影響を与える心理的影響を6つ上げました。
このなかで、もっとも影響が大きいものは、近視眼的損失回避(損失回避+頻繁な評価)と考えられています。長期投資に対しては大敵になります。
バフェットは一度購入した資産の評価をほとんどしないといわれています。バフェットはコカ・コーラを購入したあと、10年間で10倍以上に価格が上昇しました。S&P500は3倍になっただけです。しかしこの10年間でコカ・コーラが市場(S&P500)に勝ったのは、6度だけであり、うち4度は負けています。では、当時コカ・コーラを保有していた人は、10年間も保有しつづけら、10倍もの利益をえることができたのでしょうか。そのような人はごく一部だといいます。なぜなら市場にパフォーマンスが負けてしまうところを見ると、ほとんどの人が耐えられず売却してしまうのです。一方のバフェットは、コカ・コーラの素晴らしさに変化がないと確認して保有を続けたといいます。
バフェットの師、ベンジャミン・グレアムはいいます。
「殆どの場合、株価は上にも下にも、不合理で過剰に変動する。多くの人々に、投機やギャンブルをしたいと思う傾向が染み付いているせいだろう。良いことを期待し、ある時は不安になり、また貪欲になってしまうのだ。」
「市場が不合理な下落をしたときに、慌てて行動したり、必要以上に不安になったりする投資家は、未来の利点を振りにしてしまっている。保有株式の価格は市場に出ないほうがうまくいくだろう。他人の判断ミスの結果で悩まされることがなくなるからだ」
現代は、スマートフォン、パソコンの普及で株式の価格を頻繁に、それこそ秒単位で見られる状況にあります。そのような時間軸で評価しても意味はなく、仮に一年間も自分が信じて購入した資産が市場のパフォーマンスに負けたとしても、価値のある資産を保有し続けられるかかが重要です。ただし、現在の価格によりも価値がなくなっていると判断しているのなら、その時点で売るほうが良いのですが。
そのためには市場の変動に備える事が重要です。それは資金だけでなく、心理的にもです。下落があるということは頭の中でわかっているだけでなく、気持ちの上でも準備しておく必要があるのです。
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